朝の洗面所というのは、油断ならない場所だ。寝ぼけ眼で顔を洗い、何気なく鏡を見る。そのとき、ふと「ん?」と思う瞬間がある。
昨日まで、こんな感じだっただろうか。額が広いのか、顔が後退しているのか、よくわからない。ただ、何かが違う。
気のせいにするには、少しだけ気になる。だから人は、スマホを手に取り、「これってハゲの始まり」と打ち込む。
この検索には、悲壮感はあまりない。どちらかといえば、「確認しておきたい」
その程度の気持ちだ。
ハゲの始まりは、たいがい静かにやってくる
もし、ハゲに派手な開幕演出があれば、もっと早く気づけた人も多いだろう。
だが現実は違う。
どれも決定打に欠ける。だからこそ、放置される。
ハゲの始まりは、主張が控えめなのだ。
だいたいの場合、原因はAGAというやつ
ここで少しだけ、現実的な話をする。
男性の薄毛の多くは、AGA(男性型脱毛症)というものらしい。
年のせいでも、性格のせいでもない。ホルモンの働きによる、わりと事務的な理由だ。
困るのは、このAGA、ゆっくりだが、止まらない。
知らないうちに進み、気づいたときには、「ああ、あのときが始まりだったな」となる。
人生と少し似ている。
気のせいで済ませた人ほど、あとで気づく
ハゲの始まりに気づいた人は、まだ余裕がある。
本当に大変なのは、「まだ大丈夫」と思い続けた人だ。
そうしているうちに、ごまかしが効かなくなる。
あとになってから、「なんであのとき調べなかったんだろう」と思うのは、だいたい決まっている。
ハゲには、気合より仕組みが必要だった
世の中には、
「強く洗えばいい」
「頭皮を叩くといい」
など、元気な対策がいろいろある。
しかしAGAは、気合ではどうにもならないタイプだ。
原因が体の内側にあるので、外から何かを塗るだけでは、足りない。ここでようやく、「治療」という言葉が出てくる。
いまどきは、病院に行かなくてもいい
治療と聞くと、白い壁、消毒の匂い、妙に丁寧な説明を想像してしまう。
しかし最近は、オンラインでAGA治療ができる。ちなみに、僕もオンラインで治療をしている。そして、十分満足をしている。
スマホで医師と話し、薬は家に届く。誰にも会わず、大げさにもならない。
この距離感が、ちょうどいい。
ハゲの始まりは、人生の一大事にしなくてもいいのだ。
始まりに気づいた人は、だいたい助かる
誤解しがちだが、ハゲの始まりに気づくのは、運がいい。
気づいた今が、いちばん若い。
これは、なかなか前向きな事実だ。
まとめ:検索した日は、悪くない日だ
「これってハゲの始まり?」
そう検索した日は、少し憂うつかもしれない。
でも同時に、何かを変えられる日でもある。
大げさに悩まず、知らないふりもせず、一度、確かめてみる。
オンラインで、静かに始める。それくらいが、ちょうどいい。
あの朝の鏡の前で感じた違和感は、案外、自分を守るための合図だったのかもしれない。




コメント