鏡の前に立つたび、目がどうしても生え際と頭頂部にいくようになったのは、40代に入ってからだった。
若い頃は気にも留めなかった場所なのに、人は年を重ねると、同じ鏡からまったく別のものを見るようになるらしい。
「まだ大丈夫だろう」
そう思ってきた薄毛は、ある日ふと、思い込みの域を越えていた。誤魔化しがきかない、というより、こちらの都合など関係なく、淡々とそこに存在していた。
僕は40代になってから、ようやく腹をくくってAGA治療を始めた。

遅くない?

それなりに満足している
これまでその経過をいくつかの記事に書いてきたが、この記事では40代のAGA治療体験談として、それらをまとめて振り返っている。
やってみてよかったこともあれば、正直、少し後悔していることもある。効果、副作用、費用。どれも含めて、実際にやった人間の感想として、できるだけ誇張せずに書いた。
40代からAGA治療を始めても、意味はあるのか。効果はどの程度だったのか。副作用や費用は、想像していたものと違ったのか。
同じように鏡の前で立ち止まっている人が、考える材料のひとつとして読んでくれたらいい。大げさな結論は出ない。ただ、僕の頭と時間と気持ちが通ってきた、その記録である。
40代でAGA治療を始めた理由【体験談】
今思えば、20代や30代の頃にも、兆しがまったくなかったわけではなかった。ただ、その頃の僕は、それを「問題」として認識していなかった。
20代・30代の頃は気にならなかった
鏡を見ても、気にするのは服装や体型くらいで、髪の毛は常に視界の外にあった。写真に写った自分を見ても、「ちょっと額が広いかな」と思う程度で、深刻さは感じていなかった。

多少は気になっていたけど…
家族や周囲から何か言われた記憶も、ほとんどない。
仮に言われていたとしても、「まあ、そのうち何とかなるだろう」と軽く受け流していたと思う。
若さというのは、それだけで強力なフィルターになる。多少薄くなっていても、「まだ大丈夫」という思い込みを成立させてしまう力があった。
40代になると一気に進行を感じた
変化をはっきり意識したのは、40代に入ってからだった。生え際が後退した、というよりも、「戻らなくなった」という感覚が近い。

それまで放置?

これは凹んだ…
頭頂部も同じだ。
光の当たり方や角度の問題だと思い込もうとしていたが、どの角度から見ても、以前より地肌が主張してくる。全体のボリュームも減り、髪型で誤魔化す余地が、年々狭くなっていった。
決定的だったのは、ふとした瞬間に「老けたな」と自分で感じたことだ。
疲れているわけでも、体調が悪いわけでもない。ただ、鏡の中の自分が、少しずつ「年相応」になっていくのを認めざるを得なくなった。
そのとき初めて、これは放っておいても戻らないものだと理解した。そして同時に、「何もしなかった」という後悔だけは残したくないと思い、40代でAGA治療を始めることを決めた。
40代の僕が実際に受けたAGA治療の内容
AGA治療を始めるにあたって、まず向き合うことになったのは、「今の自分の状態を正確に見る」という作業だった。
感覚的には分かっていたつもりでも、言葉にしようとすると、意外と曖昧だった。
治療前の頭皮・薄毛の状態
治療前の僕の薄毛は、生え際と頭頂部の両方に現れていた。
前から見ると、生え際が少しずつ後退し、額が広くなっているのが分かる。上から見ると、頭頂部の地肌が透け、光の下では特に目立った。

全体の髪のボリュームも減っていて、セットをしても夕方には潰れてしまう。「薄毛」というより、「確実に進行している途中」という表現が一番近かったと思う。
後から知ったことだが、ハミルトン・ノーウッド分類で言えば、初期から中期の境目あたり(Ⅲ〜Ⅳの間)。まだ完全に失ってはいないが、放置すれば確実に進む段階だった。
実際に治療を始める前の画像。

選んだAGA治療(クリニック/オンライン)
AGA治療を始めるにあたって、クリニックに通うか、オンライン診療にするかはかなり迷った。最終的に僕が選んだのは、オンライン診療を中心としたAGA治療だった。

オンライン?
理由はいくつかある。
まず、通院の手間がかからないこと。40代になると、仕事や家庭の予定を調整して定期的に通院するのは、思っている以上に負担になる。
次に、費用の分かりやすさだ。対面クリニックにありがちな、初回だけ安くて後から高額になる、という不安が少なかった。
そして一番大きかったのは、安全性と継続性。医師の診察を受けつつ、無理のない範囲で続けられることは、40代のAGA治療では重要だと感じた。
使用した薬・治療内容
実際に使用した治療内容は、いわゆる標準的なAGA治療だ。
まず、デュタステリド(後にフィナステリド)。抜け毛の進行を抑える目的で処方されたもので、治療の土台になる薬だ。
加えて、ミノキシジル。こちらは発毛を促す目的で、内服と外用の両方を使った時期がある。効果を実感しやすい一方で、体調や副作用には慎重になる必要があると感じた。
その他に、サプリメントや頭皮ケアも試したが、正直なところ、補助的な位置づけだった。主役はあくまで薬で、ケアはそれを支える存在、という印象だ。
この治療内容を、数ヶ月、そして一年と続けていく中で、少しずつ変化が現れていくことになる。
関連記事:ミノキシジルの副作用で頭痛
40代のAGA治療体験談【経過まとめ】
AGA治療は、始めた瞬間に何かが劇的に変わるものではない。特に40代の場合、変化は静かで、時間差でやってくる。
ここでは、僕が実際に体験した経過を、時系列でまとめていく。
治療開始〜3ヶ月の変化
治療を始めて最初の3ヶ月は、正直に言って一番落ち着かない時期だった。
大きな変化が出たわけではないが、抜け毛の量は一時的に増えた。いわゆる初期脱毛だと頭では理解していても、実際に排水口に溜まった髪を見ると、不安にならないわけがない。
「これ、本当に大丈夫なのか」
「むしろ悪化しているんじゃないか」
そんなことを、何度も考えた。
見た目に関しても、この時期はほとんど変わらない。むしろ、髪が細くなったように感じる日もあり、治療を続ける意味を自問することもあった。

関連記事:初期脱毛が不安だった時期の記録

こ、これは…
6ヶ月後の効果と実感
半年が経った頃から、少しずつ変化を感じるようになった。
まず、抜け毛が明らかに減った。
朝の枕やシャワー後の排水口を見て、「あれ、少ないな」と思う日が増えた。
見た目にも、はっきりとした“発毛”というより、地肌の主張が弱まった感覚がある。髪の一本一本が太くなり、全体のボリュームがわずかに戻ったように感じた。
周囲の反応も、この頃から変わった。
「髪切った?」
「なんかスッキリした?」
直接「増えた」と言われることはないが、それくらいの変化が、一番現実的なのだと思う。

関連記事:治療を始めて6ヶ月。明らかに増えた

増えてる…
1年後の状態
治療を始めて1年が経った。
結論から言えば、劇的な変化はない。ただし、「確実に違う状態」にはなっている。
生え際が若い頃の位置に戻ったわけでも、頭頂部が完全に埋まったわけでもない。それでも、治療前と比べると、薄毛が進行している感じはなく、見た目も安定している。
一番大きいのは、不安が日常から消えたことかもしれない。鏡を見るたびに気にしていた頃と比べると、精神的な負担は明らかに減った。

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ハゲではなくなった
40代でAGA治療をして分かったメリット・デメリット
辛かったのは、治療開始2週間後から始まった初期脱毛だった。
髪の毛を増やすための治療なのに、髪の毛が減っていく。その矛盾が、想像以上に精神を削っていった。
理屈では分かっていても、感情は別だ。毎日抜け落ちる髪を目にするたびに、「本当にこのまま続けていいのか」と自分に問い続けることになった。
それでも続けた先に、良かった点も、正直きつかった点も、はっきりと見えてきた。
関連記事:初期脱毛が不安だった時期の記録
良かった点(やってよかったこと)
一番大きかったのは、精神面の変化だ。
治療前は、無意識のうちに人の視線や写真写りを気にしていた。帽子を被るかどうか、照明の位置、風の強さ。そんなことを常に考えている自分が、どこかで嫌になっていた。
AGA治療を始めてから、髪が増えたというよりも、「気にしなくなった」ことのほうが大きい。進行を止めるために何かをしている、という事実が、心の負担を軽くしてくれた。
身だしなみへの意識も変わった。
髪型を整えることが、再び「面倒」ではなく「普通の行為」に戻った感覚がある。40代になって失いかけていた自信を、ほんの少し取り戻せた気がした。
正直きつかった点・後悔したこと
一方で、きつかった点もはっきりしている。
まず、副作用への不安だ。実際に強い副作用が出たわけではないが、体調の変化に敏感になり、常に様子をうかがいながら生活することになった。40代になると、「何かあったらどうしよう」という想像が、若い頃より現実味を帯びてくる。
次に、費用。月々の金額だけを見れば高額ではないが、続ける前提で考えると、じわじわ効いてくる。このお金を、他のことに使えたのではないかと考えたことも、正直ある。
そして一番の問題は、継続だ。毎日薬を飲み、体調を気にし、定期的に状況を確認する。それを「生活の一部」として受け入れるまでには、時間がかかった。
もし後悔があるとすれば、もっと早く「続ける覚悟」を決めておけばよかった、という点かもしれない。
40代のAGA治療は遅い?
40代でAGA治療を始めるのは、遅いのか。これは、治療を始める前の僕自身が、何度も検索していた問いでもある。
結論から言えば、遅くはない。ただし、ある前提を受け入れない限り、満足のいく結果にはならない。
遅くはないが「ゴール設定」が重要
40代のAGA治療で一番大切なのは、ゴールの置き方だと思う。
20代の頃のような髪の量に戻す。生え際を完全に若い頃の位置まで復活させる。
そういった「完全回復」を目標にしてしまうと、ほぼ確実に苦しくなる。治療の成果よりも、「足りない部分」ばかりが目につくからだ。

そうかもね…
40代のAGA治療は、失ったものを取り戻すというより、これ以上失わない状態を作り、少しだけ整える作業に近い。
そのあたりをゴールに据えられるかどうかが、満足度を大きく左右する。
20代・30代との違い
20代や30代と40代では、AGA治療の向き合い方が違う。
まず、効果の出方。若い世代と比べると、変化はどうしても緩やかだ。「数ヶ月で見違える」といった展開は、期待しすぎないほうがいい。
一方で、維持の考え方はシンプルになる。すでに現実を受け入れている分、「今より悪くしない」ことの価値を理解しやすい。
40代のAGA治療は、勢いではなく、生活の中にどう組み込むかが問われる。
無理なく続けられる方法を選び、淡々と維持する。その姿勢が、結果的に一番長く効いてくる。
遅いかどうかではなく、どう付き合うか。
それが、40代でAGA治療を始めた僕の、今の結論だ。
40代でAGA治療を考えている人へのアドバイス
40代でAGA治療を考えるとき、多くの人は「やるべきか、やらないべきか」という二択で悩む。でも実際には、その間にいくつもの選択肢がある。
ここでは、僕自身の体験を踏まえて、いくつかの目安を書いておく。
こんな人は早めに始めた方がいい
もし、そんな感覚が日常に入り込んでいるなら、早めに動いたほうがいいと思う。
AGAは、自然に回復することはない。
「気になり始めた時点」が、その人にとってのスタートラインだ。40代であっても、進行を止めるだけで、見た目も気持ちもかなり楽になる。
特別な覚悟はいらない。まずは医師に相談して、今の状態を知るだけでも意味がある。
こんな人は慎重に考えてもいい
一方で、誰にでも無条件で勧められるものでもない。
そういう場合は、無理に始める必要はないと思う。AGA治療は、やらなかったからといって、間違いになるものではない。
40代は、選択肢を「減らす」年代でもある。やらないと決めることも、立派な判断だ。
体験者として伝えたい一番の本音
僕が一番伝えたいのは、AGA治療をするかどうかより、「納得して選ぶ」ことのほうが大事だということだ。
何もしなかった後悔も、始めた後の迷いも、どちらも想像以上に残る。だからこそ、自分で調べて、自分で決めるしかない。
40代から始めても、完璧な答えは出ない。ただ、行動した分だけ、情報と経験は手に入る。
この文章が、鏡の前で立ち止まっている誰かにとって、「考えるきっかけ」になれば、それで十分だと思っている。
まとめ|40代AGA治療の体験談から言えること
40代でAGA治療を始めて、劇的に何かが変わったわけではない。髪が若い頃の状態に戻ったわけでもないし、悩みが完全に消えたわけでもない。
それでも、確実に言えることがある。
何もしなかった時間より、向き合った時間のほうが、気持ちはずっと軽かった。
40代のAGA治療は、失ったものを取り戻す挑戦ではなく、これから先の状態をどう保つかを考える行為に近い。
進行を止め、見た目を安定させ、不安を日常から遠ざける。それだけでも、やる意味は十分にあった。
もし今、治療を始めるかどうかで迷っているなら、「やる・やらない」を決めなくてもいい。まずは知ること、状況を把握することから始めてもいいと思う。
僕はそうして、ここまで来た。
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